海の恵みを食卓へ美味しさづくりに想いを込めて
海の恵みを食卓へ、美味しさづくりに想いを込めて
気仙沼と働く vol.6 春の海
春らしい日々が続いています。3月は私が初めて東北を訪れた月です。
初めて行った先は仙台の知人に案内された女川でした。
旅先で見た海の様子から伺えることを綴ります。
気仙沼と働く vol.6 春の海

春の豊かな緑色〜女川の海〜

震災前に、女川の昆布巻きを食べたことがありました。私は一消費者として食した程度だったのですが、地震の知らせを受けて、ご無事かどうか無性に気になり、赴くままに筆をとり手紙を送ったことがあります。のちに無事だとの連絡があり、落ち着いたら会いましょうという話をする中で、ついに叶ったのが女川の訪問でした。これが私にとって初めての東北の地。

春先。案内された道の駅のような店では、知らない名前の魚がいっぱいに並んでいました。新鮮そのもので見ているだけでこちらが元気になるようです。その後、海沿いを案内してもらった際に見た海は、ほんのり緑がかった海。今まで見たことのない色合いでした。
なぜこのように緑がかるのでしょう。プランクトンが元気に活動している証拠なのかもしれません。海の中で豊かに命が育まれれているようで、ゆったりとした穏やかな空気が漂っており、海から安心感をもらったような記憶があります。

もやのかかった幻想的な海〜瀬戸内海〜

気仙沼と働く vol.6 春の海
瀬戸内海は、多数の島々が浮かび、晴れやかな空と海といった景色とはひと味違う、神々しい霧立つ海の印象があります。先日訪問した日は温かな春の日で、水面からもやが立ち上がり、ぼんやりとした幻想的な景色が広がっていました。

はっきりしないものに興味をそそられ目を凝らしたくなるのは、人間の本能なのでしょうか。 ふと目をやると、左の方から舟がやってきて右へと過ぎ去っていく。諸行無常という言葉が浮かびました。目の前のことは早かろう遅かろう、変化していて、変わりゆくもの。どんなことがあったとしても、今の状況は永劫には続かない。必ず変化していくのが常だと、眼前の景色が教えてくれました。

目の前の景色とその奥にある景色〜気仙沼の海〜

気仙沼の海を地元の方に案内いただいた時、私は「綺麗な海ですね」とこぼしたことを忘れません。うららかな風景に、本心から思ったことを言っただけの私。ところが地元の方に「たくさんの人が亡くなったので、一口に綺麗だとは言えない」と返され、私はショックを受けました。軽率な言葉でした。自分の言葉が知らぬうちに誰かの辛い記憶を引き出してしまうとは思いもしなかったのです。その時は 申し訳ない気持ちでいっぱいで、被災地・気仙沼という土地を理解して来ていたつもりが、無知な自分であることを思い知らされました。なぜそんなことも想像できなかったのだろうと後悔の念が湧き起こった感覚は、今も胸に残っています。
気仙沼と働く vol.6 春の海
さまざまな土地を訪れる”よそ者”の私には、似たような出来事が絶えません。自分が美しいと感じた景色の裏に、実はここでこのようなことがあった、という事実を知らされることは多々ありました。その度に、気仙沼の海を思い出します。感じたことを口にしていいのかどうか。ですが、今この瞬間に見たまま、感じたままの世界を美しいと感じたならば、私はそのままに伝えていきたいと思うようになりました。もし何か不協和音が生じたとしても、そこから深い理解が生まれることもあるからです。

人の表情や態度をとってもそう。今の言動の奥に何があるのだろう?人間はどれほど進化しても、どこでどんなふうに生きていようとも「自然そのもの」です。自分の目の前にある自然を、捻じ曲げず思い込みのメガネを外して、素直に美しさに心を震わせたいものですね。
気仙沼と働く vol.6 春の海
3月のレシピ1「ミモザサラダ」
花が開き始める嬉しいこの季節を賑やかに彩る「ミモザサラダ」。ゆでたまごとグリーン野菜の組み合わせがまるでミモザや菜の花のよう。トッピングした塩辛が味の決め手です。よく混ぜて召し上がってください。
気仙沼と働く vol.6 春の海
3月のレシピ2「春キャベツと塩辛のパスタ」
葉が柔らかく美味しい時期になった春キャベツと塩辛の組み合わせは抜群です。野菜の甘みと塩辛の旨味がパスタに絡み合ってとても美味しいです。ぜひご堪能ください。
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